今からほぼ一年前、2017年の暮れ。私は58才となっていました。
(再来年の5月に定年かぁ・・)と、夕陽を見ながら心の中で呟いて、私は自分の人生を振り返り、そしてこの先に思いを巡らせました。
この後の人生は余生となるのか。
定年を迎え、契約社員として会社に残り、65才まで働いて退職。その後もできる仕事を探して無理なく働いて、暮れ往く陽のように我が人生は終わってゆく。
私の父は59才で逝去していました。母は76才で亡くなりました。
(私の余生はいつまであるのだろう。)
私の人生は本当に恙なくささやかな人生でした。
普通の人生を普通に生きてきました。
名を成すことも財を成すこともありませんでしたが、私なりに精一杯生きました。
知り合った人々はみないい人ばかりでした。
妻とめぐり合い子に恵まれ幸せでありました。
普通に生きられたことが何よりの幸せでした。
しかし。
物語の終章はちょっぴり切ないものです。
もっと、もっと。もっと物語が続いてほしい。
その本をまさに読み終えんとしている時、誰もがそう願うと思います。
・・
暮れ往く陽。
私の物語は終わりに思えました。
捲るページはあと僅か。数ページしか残っていない。
あと数ページ。
私の人生のエピローグ。