これで青春も終わりかなとつぶやいて
あなたの肩をながめながら
やせたなと思ったら泣けてきた
BOROの「大阪で生まれた女」の一節です。
私は“青春”を“人生”に置き換えて口遊みました。
もうこれで俺の人生も終わりかなと呟いて・・
沈む夕陽を見ながら切なく悲しい心持ちになりました。
振り返れば恵まれていた人生でしたが、残りの人生は終わってゆくだけなのか。
繰り返しになりますが、私の父は59才、母は76才で亡くなりました。
父の年齢であればあと1年、母の年齢であればあと18年。
私に残された時間は限られている。
・・
!
しんみりしながら、ふっと。
ふっと私は思いつきました。
そうだ!
「別の物語」というのも、あるな!
私は口元が自然に緩み笑顔になりました。
そうだ、そうだね。もうひとつの物語。私の人生の本はこれで終いにして、頁を捲り、終りと思って最終ページを開くと、なんと新作の知らせが書いてある。
私はふっと思いついたその発想に笑いがこみ上げました。
60才、定年。
私の人生のピリオド。
一冊の本は終わる。
しかし、その後の人生は余生ではなく、別の人生が始まる。
続編ではなく、内容の違った新編が始まる。
時計の針を40年近く戻し、そうだ、22才の大学卒業くらいまで戻して始めよう。
まさに沈まんとする夕陽をに向かい、満面の笑顔の私。
・・それは、今から1年前、58歳の暮れの出来事でした。
・・
TwilightSmile
~ 定年 another story ~
定年は終わりではなく、新しく始まるスタートライン。
私のもう一つの物語。
始まりです。
(プロローグ終り)