TwilightSmile

 ~ 定年 another story ~

私の肉体が今現在に留まったまま、思惟のみが時を遡る。

古いものを整理しているとふっと思いにふけることがある。
写真やビデオ、本や雑誌、などひとつひとつ手にとっては動きが止まる。
私の肉体が今現在に留まったまま、思惟のみが時を遡る。

手にした写真の、ビデオの、本の、雑誌の、私が過去に通ってきた時代のその時々。
私の思惟は一瞬にしてタイムスリップしたかのように、その時々の私に降り立つ。
私は今現代にいながら、私の思惟を通して過去の風景を視るのだ。

せんだって大学時代の日記をスキャンしてデジタル化、紙媒体は処分した。
30年以上しまい込んでいて私自身がその存在を忘れていた私の日記であった。
その日記を今の私の視点を通じて読んだ。

・・

稚拙で浅学な文章。
いい加減で甘ったれていて薄っぺらい自我。
日記に書かれてた私はおぞましいほど低俗なる者であった。

あの頃の私に出逢えるならば言ってやりたい。
「もっと勉強しろ」
「もっと世界を広げろ」
「もっと本当に生きろ」

それが青の時代、というならば、もっと青くあれ。
海と空が交わる先のむこうへはやてのごとく生きよ。

そう言ってやりたい。と思った。

そして再びふっと一瞬にして私は我に返り次の作業にかかるのである。
身辺生前整理。

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